[無添加の家コラム]素足で暮らす無垢の家
無垢のフローリングとよく言いますが、「無垢」ってなにかご存じでしょうか。
一般的にフローリングは下記の二種類に分けられます。
・複合(複層)フローリング
・無垢(単層)フローリング
いったい何が違うのかというと、中に含まれる“空気の量”です。
合板とよばれることの多い複合フローリングは、その名の通り、複数の板を接着剤で張り合わせてある床材のこと。表面には、薄く削った天然木の単板を張り合わせた突き板タイプや、樹脂や紙などのシートに木目や石目などの柄を印刷した化粧材タイプがあります。
一方、無垢とは、天然木から切り出した木を1枚の板に加工した材料のこと。
右:無垢フローリング
左:複合フローリング
断面を見るとよくわかります。
無垢材は、私たちの身近な物質の中で最も熱を伝えにくい空気で満たされています。繊維の間にたくさんの空気を含んでいるため、複合フローリングに比べて、熱伝導率が低い(熱が伝わりにくい)のです。
つまり、肌から熱が奪われず、自分のぬくもりを実感できるため、冬でも暖かく、裸足でも寒さを感じにくいということ。
実際に、複合フローリングと無垢フローリングを冷蔵庫に入れ、十分に冷やした後、取り出して表面温度を測ってみると、なんと温度差は9.1℃でした。
数値でみると、その差に驚きますね~。
複合フローリングは、薄い板を貼り合わせて圧縮していることで、ほとんど空気を含まないため、断熱性が低く、冷たさがダイレクトに伝わり、触れるとヒヤッとします。
冬だけに限らず、夏でもクーラーの効いた室内にいると足元の冷えが気になりますよね。
「頭寒足熱」というように、足元が冷えていると、血液循環が悪くなったり、自律神経が乱れ、なんだか体の調子が悪い、疲れやすい、肌荒れが目立つなど、不調の原因やヒートショックにもつながります。恐ろしい。。
そして、複合フローリングよりも空気を多く含む無垢のフローリングですが、無垢と一言でいえども、樹種によっても含む空気の量に差があります。
英語で針葉樹をソフトウッド、広葉樹をハードウッドと言われるように、針葉樹は軽くて柔らかく、広葉樹は重くて硬い傾向にあります。
つまり、密度の高いオークやウォールナット、チークといった広葉樹比べて、針葉樹であるヒノキやパイン(松)のほうが無垢フローリングのなかでも、よりあたたかく感じるのです。
そう聞くと、針葉樹のほうがいい!となりそうなところですが、広葉樹よりも強度が優れ、傷がつきにくいという特徴があります。
家具材に広葉樹が多いのもこのためですね。また、土足文化をもつ欧米では、床材に広葉樹が重宝されてきました。
そんな樹種の違いはさておき、今回のテーマは、「無垢フローリングと複合フローリングの違い」でした。
次回は、引き続き無垢の床材について、この時期に気になる調湿性能のお話をしたいと思います。
それでは、また。