[無添加の家コラム]動く床~無垢は生きている~
無垢は「生きている」としばしば表現されることがありますが、今回はそんな無垢の調湿性能についてのお話です。
(そもそも無垢ってなに?という方は前回のコラムから。[無添加の家コラム]素足で暮らす無垢の家 )
無垢の木材は、空間の湿度に反応して、冬の乾燥した時期には水分を空気中に放出します。
逆に、湿度が高いと余分な水分を取りこみます。
驚くべきは、切られてフローリングとして加工されてもなお、この水分交換による調湿作用が続く点。
そして、こういった天然の調湿効果は無垢にしかない特徴です。
木が呼吸しているというのは、まさにこのこと。
無垢が「生きている」と比喩される所以ですね。
この調湿性能のおかげで、ムシムシするこの梅雨の季節も、無垢の床が余分な湿気を吸収するため、室内は快適な湿度に保たれ、また、素足で歩く床の肌触りはさらさらと心地よいのです。
そんな快適さをもたらすと同時に、木材の膨張収縮という変化も起こります。
水分を吸収すれば膨らみ、放出すれば縮むのです。
乾燥した冬に、フローリング間で隙間があいている写真がこちら。
某有名なキャンディと比べてみるとこんな感じ ↓
このように冬のこの時期だと、約1~3mmほどあくことがあります。
実際には、こういった温度や湿度の変化による木の動きを考慮し、スペーサーをフローリングの間にかませることで、あそびを設け、膨張・収縮することを前提にフローリングを施工しています。
木が生きていることで動く無垢の床は、室内の湿度を調整し、常に快適な空間を提供してくれる材料です。
それゆえに隙間があいたり、床鳴りも起こりますが、それは無垢が呼吸をしているからこその自然な現象です。
欠陥ではなく、無垢の真価として、特性として捉えていただきたいのです。
木は動くもの。
本物の素材だからこその特性を理解し、うまくつきあっていきましょう。